購入予定

 知らないうちに出ていました。本当に久しぶりの新作。彼のデビュー作の『そして夜は蘇る』は、かなり印象的な作品でした。ハードボイルドな主人公沢崎の生き方もかっこよかったけれど、それ以上に印象的だったのは、沢崎の因縁の友人と一瞬だけすれ違うシーンの鮮烈さでした。二人の関係がこじれているがゆえに、このシーンは映画のワンシーンのように鮮やかで、印象に残りました。今回のこの作品も、この沢崎を主人公としたシリーズの続編のようです。


 作者の原氏はずいぶん寡作のようで、その後1冊はわりあい早い時期に出ていたのですが、それからしばらく作品が出ませんでした。今見るとデビュー作は1995年に発行されているので、10年でやっとシリーズ4作目です。あまりに長すぎて、このシリーズがまだ続いていたとは思っていなかったです。というか、3作目は買ったかどうか、すでに覚えていません。買っていないような気もします。でもシリーズがまだ続いていたのはうれしい驚きでした。楽しみです。

『ホミニッド−原人−』

ヒューゴー賞受賞
2月下旬 SF『ホミニッド−原人−』〈ネアンデルタール・パララックス1〉
ロバート・J・ソウヤー内田昌之
並行世界から事故で転移してきたネアンデルタール人物理学者の冒険を描く、話題の長篇


 ソウヤーも、最初の作品『ゴールデン・フリース』以来読み続けている作家さんです。『ゴールデン・フリース』はSFかつ推理小説という作品で気に入ってました。彼の作品の中でも『占星師アフサンの遠見鏡』が気に入っていたのだけれど、この作品はシリーズがまだ続いているにもかかわらず続編の刊行がストップ。面白かったのになぁ。新作も面白いことを期待します。