【ネタバレ】徹底解明! 『TENET』の難解なカーチェイスシーン

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時間SFとして、時間を逆行するというアイデアが斬新な映画『TENET テネット』。しかし、逆行した人物と順行(通常の時間の流れ)の人物が同時に行動しているため、何がどうなっているのか非常にわかりづらくなっている。

おそらく一番わかりづらいのが、逆行するセイターと主人公とのカーチェイスシーンだ。カーチェイスそのものはそうでもないのだが、登場人物の時間の流れが一度観ただけではよくわからない。何度も観直し、登場人物それぞれのタイムラインを整理してようやく全体の流れがつかめてきた。

以下は完全にネタバレなので、観終わった方のみどうぞ。

登場車種

まずはカーチェイスのシーンで登場する車種とそれに乗る主な人物の整理から。がんばってナンバーまで確認した。

  • AUDI(黒・945CW2):セイター・セイターの部下(運転)・キャサリン
  • BMW(濃グレー・293W2P):主人公・ニール(運転)
  • Mercedes(グレー・807B3T):セイターの部下[ボルコフ](運転)
  • Saab(シルバー・930C7W):当初は謎

※色は光の具合でわかりづらいので、だいたいのイメージ
※[ ]内は推測
※車に詳しくないので違っていたらご容赦を。見分けるのもたいへんだった

AUDI:逆行と順行がシンクロしながら同時に進行

一番混乱するのがAUDIだ。なぜなら、これに乗るセイターと部下の運転手は逆行だが、拘束されているキャサリンは順行だからだ。しかも、逆行と順行が同時に進むからわかりにくい。

キャサリンが順行だという根拠は以下の通り。

  • 酸素マスクを付けていない
  • 言葉が逆さまになっていない
  • ドアを開けるなどの動きが順行
  • 青い部屋で酸素マスクをつけている
  • 全身を赤で統一している

この作品では青は逆行赤は順行と色分けされているので、ここまで全身を赤のスーツとパンプスで固めているのは彼女が順行だという象徴のはず。

また、逆行している人物は、外に出るときは酸素マスクが必要となる。青い部屋は逆行した人のためのエアロックになっているので、順行のキャサリンは逆に酸素マスクが必要となる。

キャサリンから見た時間の流れ

キャサリンから見た時間の流れを整理すると以下のようになる。

キャサリンのタイムライン


  1. キャサリンはボルコフ運転のMercedesでセイターとフリーポートに到着。AUDIで待機する逆行の運転手を目撃
  2. 倉庫内部でセイターから暴行を受ける
  3. AUDIに乗せられ、フリーポートを出発]
  4. AUDI車内でセイターに銃を突きつけられる。セイターはBMWに乗る主人公を脅してカウントダウン
  5. 主人公がセイターに「プルトニウム241」の橙色ケースを投げる
  6. ケースを手に入れたセイターと運転手が走行中のAUDIからMercedesに乗り移る
  7. キャサリンAUDIに1人取り残されるも、主人公がBMWから乗り移り、激突前にAUDIを停車
  8. [ボルコフが]MercedesをAUDIにぶつけて停車。キャサリンと主人公はボルコフや部下たちにAUDIから降ろされる
  9. キャサリンと主人公は[Mercedesに乗せられ]フリーポートへ連行される*1
  10. キャサリンはセイターに倉庫の青い部屋へ、主人公は部下たちに赤い部屋へ連行される
  11. キャサリン青い部屋でセイターに撃たれる

※[ ]内は推測

Mercedesの運転手ははっきり映っていないが、おそらくボルコフだ。そう推測する根拠は後で述べるが、最初にセイターがキャサリンを連れてフリーポートに来た時もボルコフがMercedesを運転していたので、彼の運転と考えるのが妥当だと思う。いずれにしても順行だ。

セイターから見た時間の流れ

一方、セイターはキャサリンの時間軸に対し、未来から過去へ向けて絡んでくる。AUDIを運転する部下はセイターとほぼ同じ動きだ。セイターたちから見た時間の流れは以下のようになっている。番号はキャサリンと対応させた。

セイターのタイムライン


  1. セイターはMercedesでキャサリンを連れてフリーポートへ到着
  2. 倉庫内部でキャサリンを暴行
  • カーチェイスの間中、情報収集
  • 部下たちが捕らえてきた主人公を赤い部屋で尋問するが、応援部隊の到着で「回転ドア」へ逃走。AUDI運転手も「回転ドア」へ
  • 〜セイターたちはここから逆行〜
  1. セイターが「回転ドア」から青い部屋に入ると、キャサリンが瀕死の状態で椅子に寄りかかっていた。ガラス越しに主人公を脅しながら彼女を立ち上がらせ、銃で撃つ
  2. 弾が抜けて傷が消え、キャサリンは撃たれる前の状態に。セイターは彼女を連れて[Mercedesに乗り込む]
  3. 銃撃戦の場所へ到着してMercedesを降り、[キャサリンを降ろす]
  4. BMWダッシュボードを確認
  5. Mercedesに戻り、[銃撃戦の場所からカーチェイスの場所へ移動]
  6. 走行中、橙色ケースが窓からMercedes車内に入ってくる。このケースを持って、セイターは運転手とともにMercedesからAUDI*2に乗り移る
  7. 橙色ケースがセイターの手から飛び、BMWに乗る主人公がキャッチ。直後、セイターはSaab車内に逆行の主人公を見つける
  8. BMWに乗る順行の主人公を脅すために、セイターは[カウントアップし]キャサリンに銃を突きつける。その後Saabを転倒させて火をつける
  9. [フリーポートに戻ってキャサリンAUDIから降ろし、自分も降りる]
  10. 運転手がAUDIで待機し、セイターを待つ
※[ ]内は推測

実はセイターはカーチェイス後の主人公がフリーポートへ連れて来られるまで、ずっとここで情報収集をしていた。赤い部屋で主人公を尋問し始めた直後、ニールの呼んだ応援部隊に襲撃され、部下たちと「回転ドア」へ逃走、そのまま逆行する。

青い部屋にはぐったりしたキャサリンがいたので、主人公をガラス越しに脅しながら彼女を撃つ。するとキャサリンは時間を遡り撃たれる前の状態に。歩けるようになったキャサリンを連れて、銃撃戦の場所へ。ニールが降りた後のBMWで「プルトニウム241」(以下241)を探すも見つけられず、カーチェイスへと向かう。

順行と逆行が同時に進行

感覚としてわかりにくいのは、順行と逆行が同時に進行していることだ。例えば、「3」で順行のキャサリンAUDIに乗せられてフリーポートを出発し、この後カーチェイスに巻き込まれる。一方、逆行したセイターは、すでにカーチェイスは終了し、フリーポートへ戻ってキャサリンAUDIから降ろしている。時間の向きと出来事の解釈は両者で異なるが、起きている出来事自体は一致する。 キャサリンとセイターの間では、こうしたことがシンクロしながら同時に起きていた。

順行の時系列では、

フリーポート→カーチェイス→銃撃戦→フリーポート

だが、逆行の時系列でも

フリーポート←カーチェイス←銃撃戦←フリーポート

なのだ。

【ネタバレ】セイターは「241」をいつ回収したのか

「241」をセイターが回収するシーンは、映画の中では描かれていない。だから想像するしかないのだが、これがなかなかの難題だった。

「241」の隠し場所

まずは、順行の主人公が「241」を隠した場所から。

カーチェイスの際、順行主人公は「241」の入っていた橙色のケースをセイターに投げた。これには実は本体は入っていなかった。映像をよくよく見ると、主人公が橙色のケースを投げた直後にほんの一瞬、「241」を自分の手元に引き寄せている様子が映っている。実に短い時間なので、動体視力がいいか、スロー再生が無いと気付けない。

また、主人公は「BMWダッシュボードに隠した」とセイターに教えたが、これも実は嘘だった。ではどこに隠したのか。これは逆行した主人公の視点によって徐々にわかってくる。

逆行した主人公は外に出て、フリーポートに停められていたSaabに乗り込んだ。橙色ケースには、セイターに投げる前に発信機が仕込まれていたようだ。ニールからこれの受信機を受け取った主人公は、追跡してケースを見つけ、おそらく盗聴器を仕込んだ。ケースを見張っていると、やがてMercedesの窓に飛び込んだ。主人公はこの車を追い始める。

しばらくするとSaabは、順行主人公の乗るBMWと逆行セイターの乗るAUDIに挟まれた。すると車内でカラカラと銀色のものが飛び跳ね始め、転がりながら飛び出ていった。実はこれが「241」だ。順行主人公は逆行した自分自身が運転していたSaabに「241」を投げ込んでいたのだ。しかし、AUDIとすれ違った際にセイターにこのことを気づかれてしまった。

だが、「241」の隠し場所がバレたとしても、セイターがこれをすぐ回収できるわけではない。なぜなら、飛び出した「241」はそのまま順行主人公がキャッチし、やがてアクロバティックな動きでウクライナ警察の警備する移送車に収納してしまうからだ。

Saab転倒後にセイターが放火しているから、なんとなくこの時「241」を持ち去ったように見えるが、実際には車内のどこにも見つけられなかったはずだ。

では、セイターはいつ「241」を回収したのか。おそらく、逆行主人公が乗り込む前のSaabの中で見つけたはずだ。では、乗り込む前のSaabはどうなっていたのか?そもそもSaabの時間の流れはどうなっているのか?

タイムラインの整理

結局、関係する人や車の時間の流れをそれぞれ表にして、出来事を相互に対応させたタイムラインを作成することになった。車種とナンバーを確認し、停車位置から判断して、誰がどの車に乗っていたかということもだんだん見えてきた。冒頭の車種やタイムラインはこうして割り出したものだ。

整理してみて面白かったのは、銃撃戦の場所からフリーポートへ移動した時の状況だ。キャサリンを激突から救った主人公はボルコフたちに捕らえられ、フリーポートへ連れて行かれた。運転はボルコフだが、後部座席にはキャサリンとセイターが、助手席にはAUDIの運転手が乗っていたと思われる。

こうしたことは、逆行したセイターがMercedesから降りてBMWダッシュボードを確認している様子などから細切れに確認できる。

Mercedesは、主人公が停車させたAUDIにぶつかりながら停車し、その後ボルコフと他の部下がAUDIから主人公とキャサリンを引きずり出した。停車位置をよく見ないと気づかないが、実はセイターもこれと同じMercedesから出てきてBMWの車内を確認し、また戻っている。このMercedesの運転席の外にはボルコフが立ち、助手席には逆行した部下(おそらくAUDI運転手)の姿が見える。右隣にはAUDIが停車している。こうしたことから、Mercedesを運転していたのはボルコフで、セイターとAUDI運転手が一緒に乗ってフリーポートから来たことがわかる。セイターとAUDI運転手はこの後(順光の世界ではこれ以前)、キャサリンが一人取り残された状態になったAUDIに乗り移るために、Mercedesでカーチェイスの場所へ向かわなければならない。

さらに、銃撃戦の場所でAUDIから降ろされたキャサリンが乗せられている車は、よく見るとこれもAUDIの隣に停められたMercedesだ。一方、主人公はというと、フリーポートでボルコフの監視のもとで引っ張り出されている様子から見て、トランクに入れられていたと推測できる。また、主人公は柵越しにキャサリンとセイターを目撃している。こうしたタイミングから考えても、実は同じMercedesにみんなが乗っていたと考えられる。

SaabとAUDIは「回転ドア」を通ったのか?

Saabに投げ込まれた「241」の行方を考える上で避けて通れないのが、Saab自体の時間の流れだ。後ろ向きに走っているため、Saabは逆行しているように見える。しかし、これは回転ドア」を通ったからなのか?

タリンの「回転ドア」はオスロ空港の「回転ドア」よりもかなり広いので車も通れそうだ。段差スロープも設置されているし、おまけに赤い部屋にはカバーを掛けた車まで置かれている。これが悩ましい。

もしAUDIやSaabが「回転ドア」を通ったとすると、どのタイミングで通ったのか?

まず、基本的なことから整理すると、回転ドア」を通って逆行したものは、再び「回転ドア」を通して順行に戻さない限り、これ以降の時間軸から消えてしまう。また、タリンの「回転ドア」はアイブスの部隊に制圧されたから、セイター達が逆行させたのだとしたら、制圧されるより前のはずだ。主人公が赤い部屋へ入れられてから制圧されるまでは連続で描かれているので、それより前ということになる。

AUDIの場合、起きた出来事の時間の流れから考えると、逆行させたら銃撃戦の場所まで移動させなければならない。主人公は銃撃戦の場所からフリーポートまで連れてこられているので、やはりこれと同じくらいの時間がかかるだろう。それを考えると、セイターたちがAUDIを逆行させたのなら、主人公が赤い部屋へ入れられる直前くらいしかタイミングはない。

Saabについてはどうだろうか。主人公は逆行した直後にこれに乗り込んだ。またこの時、逆行した直後のセイターには鉢合わせしていない*3。ということは、 Saabの逆行はセイターの逆行よりも後ということになる。つまりセイターたちにSaabを逆行させる機会はなかった。では、未来のアイブスの部隊が主人公のためにSaabを逆行させたのだろうか?だが、その場合、逆行したセイターたちが「241」を回収できないのではないか?アイブスたちが車内の「241」に気づかずにSaabを逆行させたということがあるだろうか?

逆行した人が動かしたものはどう動くのか

SaabもAUDIも「回転ドア」を通っていないとしたらどうだろうか?そもそも、逆行した人が逆行していないものを動かすとどうなるのか?逆行したときと同じように時間を遡ることは可能なのか?

逆行弾について主人公に説明した科学者は、逆行させた弾を普通に動かす(テーブルに置く=未来方向に動かす)こともできたし、逆行させる(落とした状態から手の中に戻す=過去方向に動かす)こともできた。だとすると、物体を逆行させなくても、逆行した人物が動かせば、逆行したかのように動くのか?

Saabに乗りこんだ逆行主人公は、 Saab自体の時間軸の未来に向けて関わったはずだ。車が爆発したことからもそれは明らかだ。もし過去へ向けて関わったのなら、Saabをここに停車した人物に鉢合わせていたか、ずっと停車していたなら動くことさえなかったはずだ。

一方、AUDIの場合、セイターたちは順行キャサリンが1人で乗っているAUDIにMercedesから乗り移った。AUDIの時間軸はどちら向きかはっきりしないが、少なくとも彼らはキャサリンの時間軸に対しては、未来ではなく過去へ向けて関わった。SaabとAUDI(もしくはキャサリン)では少なくともこの点が異なっている。

逆行した人が他の人や物に関わる際、未来へ向けて関わるか、過去へ向けて関わるかはどうやって決まっているのか?

前出の科学者は、「意志は関係ない?」と聞く主人公に、「(時間軸の?)向きはどうであれ、あなたの手で起きた」と答えている。つまり意志によって、その物体を過去方向に動かすか、未来方向に動かすかを決定できるということだろうか?

順行の物でも逆行した人が動かせば逆行させたように動かせる、という前提でタイムラインを整理し直してみると、誰かが車を逆行させる必要がないから無理な点が無くなった。AUDIもSaabも順行のままだったが、逆行した人が動かしたために、逆行したかのように動いていた。この解釈でどうだろうか。

同様の事例がないか確認してみた。一番わかりやすいのはスタルスク12の廃墟だろう。逆行したブルー班が爆破したビルの壁の一部は、地面に落ちていたが、順行の主人公の足元で浮かび上がって壁にはまり、彼は足元をすくわれそうになった。ビルはさすがに「回転ドア」を通っていないはずだ。つまり、逆行した人が力を加えると、物体は逆行しているかのように動くことができる。逆行した人が運転すると、まさにSaabのように逆行して動くのではないか。

この前提で整理したのが一番最後に掲載した、「【ネタバレ】詳細タイムライン」の表だ。

順行のSaabは、逆行した主人公が乗り込み運転したことで逆行し始めた。本当にそれが可能かどうかうまく想像ができないが、これ以降の時間軸からSaabは消え、これ以前の時間軸では、フリーポートに停車していたものと逆行主人公がカーチェイスしていたものの、2台になったと思われる。逆行主人公のSaabが転倒して爆発した頃、彼が乗り込む以前のSaabはそのままフリーポートに置かれていたのではないか。

AUDIの時間軸ははっきりしないが、キャサリンと同様、順行だったと考えるのが自然だろう。AUDIはフリーポートから高速道路へと移動し、乗り移った主人公のブレーキで停車した。この流れの途中、逆行したセイターたちが未来ではなく過去へ向けて、乗り移り運転し始めたことで、AUDIは順行と逆行が交差し、重ね合わされた状態になった。このためAUDIはSaabと異なり逆行せず、2台にならなかったし、これ以降の時間軸にも存在していた。セイターたちはAUDIに乗って逆行したまま、キャサリンが出発したフリーポートへ到着した。こういう解釈でどうだろうか。

【結論】セイターは「241」をいつ回収したのか

こうして改めて整理したことで、セイターが「241」をいつ回収したのか、無線で話していた逆さまの言葉が何だったのか、なぜ順行のセイターが「241」の隠し場所を知らなかったのかなど、さまざまな疑問も解けてきた。

Saabに逆行した主人公が乗っているのを目撃したセイターは、この車に追突して転倒させた。そしてBMWに乗る順行の主人公が自分にケースを投げるようキャサリンに銃を向けて脅した後、転倒したSaabの元に戻り放火。車内には当然「241」は無いので、フリーポートで待機している部下に無線で連絡して、Saabが今現在どこにあるのかだけを確認。情報収集していた順行のセイターも、だから「241」がどこにあるのか知らなかった。まさか自分たちが所有しているSaabにいつの間にか入っていたとは思いつきもしなかっただろう。

おそらくSaabはずっとフリーポートに置かれていたため、セイターはキャサリンを乗せたままフリーポートまで戻り、彼女を降ろす(キャサリンから見ればこのタイミングでAUDIに乗せられる)。と同時に、ボルコフにもMercedesでカーチェイスに向かうよう指示。また、セイターは自らSaabの車内を確認し、「241」を回収した。

キャサリンがセイターと一緒に最初にフリーポートに到着した時、逆行した部下がAUDIの車内で一人で待っていたのは、その間に逆行したセイターがSaabから「241」を回収していたからだ。セイターはBMWダッシュボードも自分自身で確認していたから、Saabの車内も部下に任せず自分で探したのだろう。

実を言うと、AUDIがなぜフリーポートに戻ったのだろうかと疑問に思っていた。彼らは高速道路からフリーポートへ戻らずそのまま逃げてしまえば良かったし、キャサリンを連れ出す役目もボルコフのMercedesで十分だったはずだ。しかし、セイターにはフリーポートに戻らなければならない決定的な理由ができた。「241」の回収だ。このため、キャサリンを連れ出したのは最初からAUDIで、最初からセイターたちと一緒だったということがはっきりした。逆行のセイターにしてみれば、フリーポートに寄った際AUDIにキャサリンが乗っていたため、ここで降ろしたというだけなのかもしれない。

【ネタバレ】詳細タイムライン


youtu.be

*1:セイターとAUDI運転手も同乗、キャサリンは後部座席に、主人公はトランクに

*2:セイターから見ると、AUDIは停止した状態から走り出し、主人公がBMWに乗り移り、キャサリンが一人で乗っている状態になる

*3:実のところ、主人公は逆行したセイターを追い越してしまっている。なぜなら、もう少し待っていれば「回転ドア」を通った直後のセイターが現れたはずだからだ。道端で橙色ケースを見張らなくても、セイターたちが逆行して現れるのを隠れて待っているだけで、楽に追えたはずだ。もっとも、アイブスたちがそれまで待たずに順行に戻ってしまったのは、制圧以前は「回転ドア」がセイターたちの支配下にあって危険だったということなのかもしれないし、残りのアルゴリズムを集めさせるための作戦だったのかもしれない