『ダーク』年表

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タイムトラベルを扱ったSFドラマ『ダーク』。シーズン3で風呂敷を広げすぎたかに見えたストーリーも、最後の2話できれいに折りたたまれ、美しいラストシーンを迎えることができた。

しかし、ストーリーが複雑すぎるうえ人物の見分けもつきにくく、1度観ただけでは把握しきれなかった。そこで、全部観直して筋書きをメモすることに。その後ヨナスの行動履歴のみを追っていって、ようやく全体像が理解できた。特にシーズン3の後半部分はストーリーが分岐するのでわかりづらい。また登場人物が過去へ戻ってもう一方の分岐へも干渉したりと、とてもややこしい。ラストの2話は展開も早く追うのも大変だった。

ストーリーは整理できたものの、細かい部分がどうなっているのか気になってきた。

  • どの方法で時間移動しているのか
  • そもそもタイムマシンはいったい何個あるのか
  • ヘルゲと触れて未来へ行ったヨナスはアダムと会わなかったのか
  • 聖クリストファーのネックレスや、ノアやペーターがずっと持っていた本はどう繋がっているのか

こうした疑問を整理しようと、年表を作ってみることに。ただし、思いっきりネタバレしているので、以下は試聴済みの方のみどうぞ。

『ダーク』ネタバレ年表

さて、年表を作り始めたものの、普通に年代順に並べただけではまだ分かりづらかったため、33年で横並びとなる表にまとめてみた。これならいつからいつへ時間移動したのかが分かりやすい。だが、どんどん大きな表になってしまった。

表記方法

ところで、年表を作成するにあたり必要なことがあった。それは、たくさん登場する人物や世界を、どう表記するかだった。そもそもそっくりな世界が3つあり、またストーリーが途中で分岐するために、マルタだけをとっても、ヨナスが元居た世界に1人、異世界に少女のマルタが3人、中年のマルタと老人のマルタ(エヴァ)がそれぞれ1人ずつと、計6人のマルタが登場する。これを見た目やどの世界かで言い表そうとすると、長くなって自分でも分からなくなってくる。

例えばこうだ。

  • 異世界へ行ったヨナスは、頬に傷のある異世界のマルタと共にエヴァの屋敷を訪れ、騙したことをエヴァに抗議。すると、顔に斜めに大きく傷のある異世界のマルタが入って来て、頬に傷のある異世界のマルタに謝罪した」

長すぎて分かりづらいし、異世界という言葉はヨナスから見た相対的な言葉なので使いづらい。

そこでまず、3つの世界に名前をつけた。ヨナスが元々いた世界を「アダム世界」、異世界から来たマルタの世界を「エヴァ世界」、世界が2つに分割される前の世界を「起源の世界」とした。

次に、ヨナスやマルタのように異世界へ移動する人物が何人かいるため、どちらの世界の人物なのか分かるよう、アダム世界のマルタは「マルタA」、エヴァ世界のマルタは「マルタE」と、名前の後に出身世界をアルファベットで表記した。

さらに、ストーリーが3つに分岐するので、その分岐によって生まれたヨナスやマルタを①〜③で表した。分岐する前は⓪とした。

この方法で表記すると、先ほどの文章はこんな感じになる。

  • エヴァ世界へ行ったヨナス①はマルタE①と共にエヴァの屋敷を訪れ、騙したことをエヴァに抗議。すると、マルタE②が入って来て、マルタE①に謝罪した」

文字数が減り、主語や述語も分かりやすくなった。

さらに、ヨナス・マルタ・ノアの時間移動の履歴と方法を、年表内に矢印で記載してみた。文字は見づらくなってしまったが、誰が、いつからいつへ、何を使って移動したか、年表で確認しながら追うことができる。矢印の意味などは年表の左下に記載している。

マルタの外見

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おまけとして、たくさんいるマルタを外見で説明しておく。傷の位置はアダム世界にいる時とエヴァ世界にいるときで、左右が逆になる。また場面が別世界へ切り替わる時は、吸い込まれるようなエフェクトがかけられて切り替わる。こうしたことで、どちらの世界の場面かわかるようになっているのだが、最初のうちはこれも混乱する原因となっていた。

  • マルタA:明るい茶色の髪で、前髪を作らず横に分けていて長髪
  • マルタE⓪:濃い茶色の髪で、前髪がある。途中から頬に傷ができる。さらにその後、髪を肩の位置でざっくり切り落とす
  • マルタE①:濃い茶色の髪で前髪があり、頬に傷がある。途中から中世の服を着ている
  • マルタE②:濃い茶色の髪で前髪があり、顔に斜めに大きく傷がある
  • マルタE③:マルタE①と同じだが、中世の服は着ない
  • 中年マルタ:50代くらいのマルタ
  • エヴァ:80代くらいのマルタ
年表

以下がその年表だ。大きすぎてJPEGでは掲載できなかったのでPDFで。

改めて整理してみると、シナリオは33年周期でしっかり設定されている。特に箱型タイムマシンと洞窟のトンネルは33年の水平移動しかできないため、過去や未来へ行ったとしても、日付自体は変わらない。だから何月何日と書かれていなくても、どこかの時代で日付が分かれば、他の時代の日付も判明する。

また、ここからここへ移動しているからこのタイムマシンがあったはず、とか、このポータルはこの時点で開通している(していない)はず、といったことも見えて来る。

ノアの移動手段

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一番分からなかったのがノアの移動手段だった。彼は1953年、1986年、2019年と、時代を超えてあちこちに現れている。移動手段もほとんど描かれていない。最初は教会の地下のポータルが2020年までずっと使える状態なのかとも思っていたが、打ち捨てられた屋敷に火までつけられていたので、それはなさそうだ。やはり箱型タイムマシンを使っていたというのが一番シンプルですっきりするように思う。

少年たちが行方不明になっていた時期のノアは、おそらく1986年の貯蔵室を拠点に、ヘルゲを使って初期のタイムマシンの実験を繰り返していたのだろう。少年たちはその犠牲者だ。過去や未来へ送ることはできたが、利用者が死んでしまうという、まだ使い物にならないタイムマシンだった。ノアはおそらくアダムの箱型タイムマシンを持ち、過去や未来で遺体の処分や誘拐に利用していた。

少年ヘルゲが現れて以降は、彼の世話のためにノアは1986年にずっといたのではないか。相棒の中年ヘルゲも少年ヘルゲが現れた時点ではもう施設に入っていたため、ノアが一人で対応するしかなかったはずだ。

悩んだのが、バルトシュにタイムマシンを渡して以降もノアが時間移動をしていることだった。1921年から未来へ行くにはポータルが使えるので問題ない。問題は2020年から1921年へ戻る時だ。洞窟のトンネルはヨナスが塞いだ後だし、そもそも1953年になるまで開通しないはずだ。しかし、ノアは2020年のシャルロッテに会い、その後1921年で殺されている。また、1954年で失踪したアグネスも1921年へ移動している。アグネスはおそらくノアの口添えで組織に復帰しているから、ノアと一緒に移動したのだろう。タイムマシンを持つバルトシュが迎えに来て送って行ったとか、クラウディアが手を貸したなど、可能性をいろいろ考えた末、ようやく思い至ったのが、アダムがタイムマシンを2つ持っていることだった。

箱型タイムマシンはどう繋がるのか

考えてみれば現在のアダムはかつての中年ヨナスであり、マグヌスたちを連れて1888年にタイムマシンで現れた。そして彼らが1911年を迎える頃、彼らのところへもハンナがタイムマシンを持って現れただろう。だからアダムはタイムマシンを2個持っているはずなのだ。ただしタイムマシン自体はハンナが持ち去ったものもノアがバルトシュに渡したものも、時間軸の線上では繋がっているような気がする。このあたりもどう繋がっているのか悩んだが、タイムマシンを入れたスーツケースの形状が異なるのはなぜか考えていてようやくわかった。スーツケースは入れ替えているわけではない。2つはバージョンが異なるのだ。ハンナが持ち去るものは新しいバージョン、ノアがバルトシュに渡すものは1代前の古いバージョンだ。

理屈はわかったものの、これをどうまとめたら分かりやすいのか、四苦八苦した挙句、表にまとめてみた。まとめても、ややこしすぎてこんがらがるぞ・・・

こうして見ると、少年ヨナスは箱型タイムマシンを短期間借りただけで、ほとんど洞窟のトンネルで移動、中年ヨナスはどちらか1個しか持っておらず、アダム(および配下のノア)は2個持っていることになる。ただし、1個は前のバージョンのアダムから引き継いだものだ。2053年以降の箱型タイムマシンがどうなったのかは、よくわからなかった。球形タイムマシンが手に入ってからは、水平移動しかできないこのタイプは不要となったのかもしれない。

箱型タイムマシン履歴

先ほどの表は相当省いているので、こちらに改めて詳しい履歴をまとめてみた。

  • アダムが引き払った屋敷で、∞がタイムマシンの設計図を入手。これをエヴァに渡す
  • エヴァが設計図をクラウディアに渡す
  • 1953年11月11日:老クラウディアがH・G・タンハウスに設計図を渡し、タイムマシンの製作を依頼
  • 1986年11月12日:タンハウスは持ち込まれた壊れたタイムマシンを参考に、製作していたタイムマシンを33年かけて完成させる。おそらく後日クラウディアに引き渡したか
  • 1987年6月22日:老クラウディアが中年クラウディアにタイムマシンを見せ消える
  • 1954年6月22日:老クラウディアが分譲地に埋める
  • 1987年6月22日:中年クラウディアが自宅の庭から掘り起こす
  • 2020年6月24日:1987年から現れた中年クラウディアは、父と娘の未来を確認
  • 1987年6月26日:中年クラウディアを迎えに来たヨナスは、彼女のタイムマシンで洞窟のトンネルを再開
  • 2020年6月27日:ヨナスとクラウディアが1987年から現れる。クラウディアは貯蔵室で終末を迎え、タイムマシンは故障
  • 2052年11月5日:30数年経ち、中年となったヨナスが老クラウディアの指示で、壊れたタイムマシンを持ち2019年へ
  • 1986年11月10日:中年ヨナスがタンハウスにタイムマシンの修理を依頼
  • 2019年11月12日:修理完了したタイムマシンを持ち1986年から帰還したヨナスは、洞窟のトンネルを塞ぐ
  • 1987年6月22日:中年ヨナスがハンナを連れて2020年から現れ、イネスと暮らすミッケルを確認
  • 1954年6月26日:ハンナはヨナスのタイムマシンを持ち去り、ウルリッヒに復讐を果たす(ヨナスは別のタイムマシンで終末から脱出)
  • 1911年:アダム化しつつあるヨナスの元へ、幼いシリヤを連れたハンナがタイムマシンを持参
  • 2043年:アダムはシリヤをエリザベートに預けたか
  • 1986年10月〜11月:1920年から現れたノアが中年ヘルゲと貯蔵室で実験を繰り返し、1953年や2019年で暗躍
  • 1986年10月9日:マッツが行方不明に
  • 2019年10月22日:エリックが行方不明に
  • 2019年11月6日:ノアがエリザベートに懐中時計を渡す
  • 2019年11月7日:ヤシンが行方不明に
  • 1986年11月12日:ノアとヘルゲが少年ヨナスを貯蔵室に監禁
  • 2020年6月21日:ノアはバルトシュにタイムマシンを渡す
  • 2020年6月24日:マグヌスがバルトシュからタイムマシンを取り上げる
  • 1987年6月25日:マグヌスたちが2020年から現れ、ウルリッヒを乗せたパトカーとすれ違う
  • 2020年6月26日:マグヌスはカタリーナにタイムマシンを渡す
  • 2020年6月27日:(ハンナがヨナスの別のタイムマシンを持ち去り後)カタリーナはヨナスの家にタイムマシンを持ち込み置いて行く。中年ヨナスはこのタイムマシンでマグヌスたちを救出し、1888年へ。30数年経ち、中年ヨナスはアダムとなる
  • 2020年6月25日:1921年から現れたノアがシャルロッテを訪問し、父親だと告白
  • 1954年6月26 日:ノアがアグネスをピックアップし1921年へ連れて行ったか
  • 1921年6月27日:ノアはアダムを殺害しようとするも失敗
  • 2020年6月27日:中年マグヌスたちは、マルタ殺害後のアダムをピックアップし、2053年へ移動したか

最初の疑問に自分で回答

そもそもタイムマシンは何個あるのか

こうなってくると、タイムマシンの数が何個あるのかは、本当に分からなくなる。バージョンを繰り返すごとに増えていくし、おそらく少しずつ改良されて進化していった。最初は貯蔵室型タイムマシンで不安定だったものが、箱型になって利便性が増し、バージョンを何度も繰り返して球形タイムマシンにたどり着いたのだろう。膨大な数のタイムマシンがあるのかもしれない。

ヘルゲと触れて未来へ行ったヨナスはアダムと会わなかったのか

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年表にして整理してみると、ヨナスが最初に未来へ行ったのは、2052年11月12日から2053年6月22日までの間だ。アダムたちが2053年に来たのは6月27日なので、数日の差で重なっていないことがわかる。また、中年ヨナスも2052年11月5日にここを発っているので、こちらも数日の差で重なっていない。

もしも重なっているとしたら、老クラウディアに1年間仕込まれていた時のヨナスだ。どこで(どの時代で)仕込まれていたのか全く言及がないのだけれど、2052年だったのではないかと私は考えている。なぜなら、クラウディアは自分が球形タイムマシンを持っていることを、決して明かしていないからだ。水平移動以外ができることを秘密にしたおかげで、クラウディアはアダムに死んだと思わせ、裏をかけた。だから、ヨナス=アダムには球形タイムマシンを見せていないはずだ。中年クラウディアを迎えに来たヨナスは身なりも薄汚れていたし、33年後の2052年に約1年の間いたのではないか。

死ぬ直前の老クラウディアは、中年クラウディアと「シーク・ムンドゥス」の屋敷の廃墟で別れを告げているので、ここを拠点としていたのかもしれない。

聖クリストファーのネックレス

シーズン2・3の目玉となる小物の1つと思われる。シーズン1には全く出てこないのが惜しい。シーズン2の冒頭で未来へ行ったヨナスがマルタの写真の上にネックレスを置いているが、これが実はヨナスの母ハンナがもらったものであり、湖に落としたのがカタリーナだったという、因縁めいた経歴がこのネックレスのハイライトだ。

  • エゴンがハンナに贈る
  • ハンナが、後にカタリーナの母親となるまだ少女のへレーネに残す
  • 未来から来たカタリーナが中年となったヘレーネと揉み合い、引きちぎられたネックレスはカタリーナの手から岸辺に落ちる
  • ヨナスが湖の岸辺で拾う
  • マルタが紐をつけヨナスに渡す
  • 未来へ行ったヨナスがマルタの写真の上に置く
  • 分岐①のヨナス:エヴァの屋敷で異世界のマルタに渡し、マルタがエヴァとなるまでずっと持っている
  • 分岐②のヨナス:終末後もずっと持ち歩き、中年となったヨナスは2020年でマルタのベッドの上に置く
トリケトラマークの本
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トリケトラのマーク

トリケトラのマークが表紙に型押しされた、茶色い本というか、手帳。これはペーターやノアがシーズン1からずっと持っている。本の最後の数ページは破り取られていて、アダムはそれをノアに探させている。アグネスはこの最終ページの所在情報を、組織復帰の手土産として提供した。

  • ∞が本の中身を書き記す
  • エヴァ世界のクラウディアがアダム世界のクラウディアに渡す
  • アダム世界のクラウディアが最終ページを破り懐へ。破れた本はペーター&トロンテに渡す
  • ペーターは終末後も破れた本を持ち歩く。ペーター亡き後はエリザベートがこれを持ち、ノアの元へ行く
  • 娘を奪われたノアがこれを持ってアダムの元へたどり着き、最終ページを探すようアダムに指示される
  • ノアがバルトシュに破れた本を渡す
  • アダムはおそらくバルトシュからどこかの段階(バルトシュ死亡後?)で破れた本を入手
  • ノアがアダム世界のクラウディアを殺害し、最終ページを手に入れる
  • ノアが最終ページをアダムに投げつける。アダムの元に本の全てが揃う

タイムトラベルの方法

『ダーク』に登場するタイムトラベルの方法はいくつかあり、それによって移動できる先が異なる。制限があり、自由に過去や未来へ行けるわけではないことが、このドラマのタイムトラベルをより面白いものにしていると思う。

洞窟のトンネル

ヴィンデン洞窟の奥にある、四角く掘削された這って進める程度の狭い通路。入り口には小さい扉があり、アダム世界のものには、「Sic Mundus Creatus Estシーク・ムンドゥス・クレアトス・エス(かくして世界は創られる)」の文字とトリケトラのマークが銘打たれている。トンネルの先は二股に分かれ、異なる時代へ通じている。1921年前後に青年ノアたちによって掘削されたが、開通するのは32年後の1953年以降。

33年周期での移動ができ、2019年からは1986年と1953年へ行ける。このトンネルの時空の裂け目は、中年ヨナスが一度塞ぐが、若いヨナスが再開する。開いている期間は実はそんなに長くない。

貯蔵室型タイムマシン

中年ノアが中年ヘルゲを利用し、ドップラー家の貯蔵室で実験を繰り返していたもの。マッツ、エリック、ヤシンの3人はその実験の犠牲者。成功したのは少年ヘルゲを1954年に送り返した時のみで、他は時間移動できても死亡したり、単なる時空の裂け目だったりと、全く使えない代物だ。しかし、ここで培われた技術が、その後の箱型タイムマシンなどに活かされていると思われる。

箱型タイムマシン

老クラウディアが持ち込んだ設計図を元に、H・G・タンハウスが33年かけて完成させた。33年過去か33年未来へのみ時間移動可能。洞窟のトンネルの時空の裂け目を、閉じたり開いたりする機能もあるようだ。大きめだが、それでも持ち運びができるようになり、利便性が増した。これを入れたトランクはクラウディアの私物。

球形タイムマシン

異世界のマルタが所持していたもの。33年周期を無視した時間移動が可能であり、さらに異世界への移動もできる優れもの。小型で携帯にも便利。誰が製作したのか不明だが、箱型タイムマシンのバージョンを延々と繰り返した挙げ句、ちょっとずつ進化してこの球形タイムマシンにたどり着いたのではないだろうか。

ポータル

アダムたちが「シーク・ムンドゥス」の屋敷で1921年の時点には完成させていたものと、クラウディアとヨナスが廃墟となった原発内部で2052年に完成させたものがある。さらにエヴァの世界にも同様のものがあるが、こちらは原発内部ではなく、エヴァの屋敷近くの地下にあるようだ。どれも33年周期を無視した時間移動が可能のようだが、巨大で施設に設置されたタイプのため、携帯はできない。帰りのためのタイムマシンを別途用意しないと戻れなくなる。

登場する絵画類

『ダーク』には、いくつかの絵画が象徴的に登場している。これらについても調べてみた。日本語の情報があまり無いものもあったが、調べたサイトを下に掲載しておいた。

ノアの背中の刺青

この絵画はドラマ内で繰り返し登場している。ノアの背中以外にも、森のホテルの宿泊客がホテルの壁に貼った切り抜き、ミッケルが入院した1986年の病院の壁にかけられた絵画、シーズン2の冒頭で登場する男性の胸の入れ墨など、繰り返し登場している。

これは、17世紀ドイツの錬金術師・医師のハインリヒ・クンラートによって描かれた、エメラルド・タブレットの想像画のようだ。


アダムの絵画

アダムがいつも「シーク・ムンドゥス」の屋敷で見上げている絵画は、ピーテル・パウルルーベンスの描いた「Der Höllensturz der Verdammten」(永劫に罰を受けた者たちの地獄堕ち)というタイトルの絵画のようだ。ドイツの国立美術館アルテ・ピナコテーク所蔵。


エヴァの絵画

エヴァがいつも見上げている絵画は、ルーカス・クラーナハ(父)の描いた「アダム」と「エヴァ」の絵画のようだ。ウィーン美術史美術館所蔵。


トリケトラ(トリニティー・ノット)のマーク

洞窟のトンネルの扉や、茶色い本の表紙の型押しなどに登場するマーク。中年ヨナスとタンハウスの会話でも登場する。ケルトの文様のようだ。