『LOST』がSFになってきた。

 AXNで放映中の海外ドラマ『LOST』。ある不思議な島に墜落した飛行機の生存者達を描いたドラマで、現在最終章となるシーズン5を放映中である。島そのものが謎に満ちている上に、シーンの展開が大胆な継ぎはぎとなっていて、過去や未来が細切れでいきなり挿入されたりするために、全体像がなかなか捉えがたい。


 シーズン1の当初は、遭難者達の人間ドラマを描いたものかと思っていた。主要人物達の墜落前の家族間の軋轢や葛藤などが、島での出来事の合間に挿入される。こうしてそれぞれの人物像が少しずつ明らかになっていく。それとともに謎に満ちた危険な島の状況が少しずつ明らかになっていく。


 救助はなぜかやって来ない。島がどこにあるのかもよくわからない。また、危険な動物が潜んでいたり、謎のハッチが発見されたりと、不思議な状況が描かれる。さらに、無人島かと思われたこの島には「やつら」がいて、遭難者達に紛れ込んだり、妊婦をさらって行ったりなどと、不審な活動を続けている。謎に満ちた危険な状況が次々と繰り広げられるのだけれども、次から次へと謎が増えていくばかりで、なかなか事情が明らかになってこない。


 それでもシーズンを重ねるごとに少しずつ状況は進展し概略は見えて来たのだが、シーズン4の後半あたりから次第にSFめいてきた。タイムトラベルを扱ったSFのようだ。


 果たして島に残された遭難者達は無事に救出されるのか。島にまつわる謎は明らかになるのか。今後の展開が楽しみである。