『時間衝突』

  • 著者:バリントン・J・ベイリー
  • 訳者:大森望
  • 出版:東京創元社
  • ISBN:9784488697013
  • お気に入り度:★★★★☆
    あらすじ

    異星人との戦争で過去の遺産がことごとく失われた地球。異星人が遺した遺跡を調べていた考古学者たちのもとに、驚くべき資料が届けられた。300年前に撮られた一枚の写真に、現在よりはるかに古びた遺跡の姿が写っているのだ。遺跡は年とともに新しくなっているというのか?彼らは異星人の技術を用いてタイムマシンを開発し、過去へと旅立つ。アイデア派の鬼才が放つ究極の時間SF。

    カバーより

 時間を扱ったSF。といっても単に未来や過去に行くといった話には収まらない。タイトル通り、時間流と時間流が衝突してしまうのである。タイムパラドックスなども存在せず、独創的。社会システムなどの設定は、書かれた時代の影響が色濃いように思う。中国人の築き上げた社会システムも時代の影響を感じさせるが、独創的で面白かった。それにしても、外部から来た人達が、うまく回っているその地域独自のシステムをぶちこわしてまでも自由至上主義を押し付けるというのはどうなのだろうと、最近では疑問に思う。