『マッカンドルー航宙記』

あらすじ

日々、マイクロブラックホールとたわむれる変人科学者、マッカンドルー博士。奇矯な性分で知られるこの男こそは、太陽系でも最高の頭脳をもつ天才物理学者であった。やがて彼自身が開発した画期的な航行システムの宇宙船を駆り、相棒の女船長ジーニーと共に大宇宙に乗り出すが……二人を待ち受ける脅威の事件の数々! 科学者である著者がその才能を遺憾なく発揮した傑作ハードSF。

カバーより

 とても面白い。宇宙船で輸送を手掛ける船長ジーニーと、大学での研究の合間にその宇宙船に同乗して自分の研究に没頭する天才物理学者マッカンドルーが、宇宙を舞台に活躍する短篇集。用心深く冷静な船長ジーニーと、天才だけど世事に疎く純粋で、知的好奇心をくすぐられると突っ走ってしまうマッカンドルーとの、息の合ったコンビぶりが楽しい。しっかりしたSFで、それでいて、文章や人物描写などがうまいせいかストーリーもたいへん読みやすいので、SFを読まない人やSF初心者にもお勧め。