『ヒューマン−人類−』
- 著者:ロバート・J・ソウヤー
- 訳者:内田昌之
- 出版:早川書房
- ISBN:9784150115203
- お気に入り度:★★★☆☆
ソウヤーのストーリーテーリングのうまさが発揮された三部作。たいへん内容が盛り沢山で、展開が早くて飽きさせない。並行宇宙、極ジャンプ、宗教体験はなぜ起きるのか、遺伝子操作、異種族間ロマンス、ネアンデルタールの築く社会の様子、法廷ミステリ、レイプ犯追跡劇、世界的陰謀の阻止…と、ざっとあげてもたくさんの要素が盛り込まれている。が、全体を通して人間の男性の攻撃性についての批判が流れていて、ちょっと政治的主張が強すぎるように思える。また、ご都合主義的で問題が安易に解決しているところなども多々あり、突っ込みどころも満載だけれど、一気に読みたくなってしまうところはさすがと言える。