『天冥の標7 新世界ハーブC』

惑星セレスの地下シェルターで暮らし始めたスカウトたちの物語。シリーズ第1弾の植民地メニー・メニー・シープの成り立ちと、それを支えた《議会(スカウト)》の物語でもある。手に負えない状況のもと、混乱と凄惨と堕落を極めながらも、たくましく必死で生…

『天冥の標6 宿怨』(Part1〜Part3)

シリーズ第6弾は、Part1〜Part3まであり長い。Part1では、《救世群(プラクティス)》の議長モウサ・ヤヒロの長女イサリ・ヤヒロが、スカウトの少年アイネイア・セアキとスカイシーで出会い、友情を育む。Part2では、イサリと妹のミヒルがセレスを訪れ、テロ…

『天冥の標5 羊と猿と百掬の銀河』

お次は、宇宙を開拓する懸命で可憐な農家の人々と、それを見守る《亡霊(ダダー)》の物語。まずは「百掬」が読めないが、「ひゃっきく」とルビがふられている。たくさん掬(すく)うという意味だろうか。これまで「羊」に展開して偽薬売り(ダダー)と名乗…

『天冥の標4 機械じかけの子息たち』

続いて、《恋人たち(ラバーズ)》のラゴスが誕生する物語。年代は2313年頃。《恋人たち(ラバーズ)》は生体アンドロイドで、人間に性愛で奉仕するために作り出された。ゲストたちの好みに応えるためにコスプレしているせいもあって、やたらとアニメチック…

『天冥の標3 アウレーリア一統』

シリーズ第3弾は、舞台は宇宙へと飛び出してスペースオペラ風に描かれている。おそらく宇宙軍(リカバラー)の物語だ。宇宙海賊エルゴゾーンとそれを取り締まる《酸素いらず(アンチ・オックス)》との間で熾烈な戦いが繰り広げられる。これに木星で見つかっ…

『天冥の標2 救世群』

シリーズ第1弾は、時代があまりに未来へと飛びすぎていて実感が持てなかったが、物語は一転して現代へと戻り、写実的な筆致で描かれる。ちなみに本作が刊行されたのは2010年なので、当時は直近の未来として描かれていた。致死率の高い感染症と戦う、医師と、…

『天冥の標1 メニー・メニー・シープ』(上・下)

ようやく『天冥の標』全17巻を読了。結局全巻を読み直し、さらに疑問があった部分をあちこち読み返した。10年かけた大作だけあって、読み応えがあった。間違いなく傑作だ。感想というか、まずはあらすじをまとめていたのだけれど、時間がかかりそうなので少…

【honto】東京創元社 対象商品30%OFF(電子書籍)

ハイブリッド型総合書店「honto」にて、東京創元社の対象商品の電子書籍が30%オフだそうです。 SFだけでなく、推理小説やファンタジーも対象となっています。 9月2日から9月15日まで。honto.jp 対象商品一例 『ひとめあなたに…』新井素子著 『盤上の夜』宮…

『ダーク』シーズン2

www.netflix.com タイムトラベルSFとして非常に面白かったドラマ『ダーク』。シーズン2が公開されていたので、一気に全作を視聴。謎が解けた部分もあったが、新たな登場人物も増え、謎は深まる一方だ。このループは解決するのだろうか? シーズン1では登場人…

天冥の標 最終巻

『天冥の標Ⅹ 青葉よ、豊かなれ Part3 』 著者:小川一水 出版:早川書房 ISBN:9784150313623 あらすじメニー・メニー・シープという人類の箱舟を舞台にした、《救世軍》たちとアウレーリア一統の末裔、そして機械じかけの子息たちの物語は、ここに大団円を迎…

【honto】早川書房 国内SFフェア(電子書籍)

ハイブリッド型総合書店「honto」で、早川書房の国内SF電子書籍が30%オフで買えるフェアが始まりました。 本日4月18日から4月30日までです。 対象商品が427冊もあるから、気になる作品はこの機会に購入しておきたいです。honto.jp私自身はつい先日紙の書籍…

『移動都市/モータルエンジン』

『移動都市』の映画版 mortal-engines.jp 映画『移動都市/モータル・エンジン』を観てきました。原作はフィリップ・リーヴ作の『移動都市』。製作と脚本が『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンだけあって、特撮CGや、都市・街並み・乗り物な…

『レッド・マーズ』『グリーン・マーズ』『ブルー・マーズ』

リアルな火星三部作 1990年代に書かれた、火星への植民を描いたSF大河小説。 三部作の最後の作品『ブルー・マーズ』が、前作の『グリーン・マーズ』から実に16年経ってようやく邦訳された。『ブルー・マーズ』の上巻を半分くらいは読み進めたのだが、さすが…

『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』

www.netflix.comカナダとアメリカのTV局が合同で製作した、クローンを扱ったSFドラマ。NETFLIXで視聴。1シーズン10話で、シーズン5まである。 あらすじ 目まぐるしく変化する、謎に満ちたストーリー展開 一人何役をも演じる主演女優タチアナ 主なクローン姉…

はてなブログに移行しました

はてなダイアリーが2019年春に終了するということなので、これまではてなダイアリーに書いていた内容をはてなブログに移しました。 移行は文字を移すだけならば自動でできるのですが、レイアウトがすっかり崩れてしまってました。書影が大き過ぎるし、サイズ…

Netflixオリジナルドラマ『ダーク』

はてなブログ Netflixのドラマで面白いSFがあったので、紹介しようと感想を書きましたが、もうすぐはてなダイアリーが終了するということなので、需要があるかどうかはさておき、はてなブログへ移行を考えています。・・・が、そのまま移行したのではレイア…

『ブルー・マーズ』(上・下)

『ブルー・マーズ』(上) 著者:キム・スタンリー・ロビンスン 訳者:大島豊 出版:東京創元社 ISBN:9784488707064 あらすじ地球の治安部隊は撤退し、無血革命は成功するかに思われた。だが、和平交渉中、過激な一分派が宇宙エレヴェーターに攻撃を開始する…

読了本まとめ(2015年)

スマホで通勤時間中SNSをしていたり、介護や仕事で忙しくしていたため、すっかり読書量が減ってしまっていました。スマホのSNSはもう放置気味なので、少し読書量が復活。とりあえず読書メーターを使って2015年に読んだ本のまとめを載せておきます。 2015年の…

読了本まとめ(2014年)

ほったらかしにしていたら、読書メーターの年間まとめ機能が2014年分は終了してしまっていたので、2014年に読んだ本を手動で作成。あまりに放置しすぎていてリンクの貼り方とか忘れていました。読書メーターのまとめに合わせて、読んだ順番は下が古く上が新…

『テラプレーン』

『テラプレーン』 著者:ジャック・ウォマック 訳者:黒丸尚 出版:早川書房 ISBN:4150109834 お気に入り度:★★★★★ あらすじ超大企業ドライコに支配されたアメリカ同様、ロシアも強制消費社会と化していた。ドライコの退役将軍ルーサーは、秘密任務を帯びて…

読了本まとめ(2013年)

だいぶ遅くなりましたが、2013年に読んだ本のまとめです。2012年に比べると、読んだ量が半分くらいに落ちています。これがなぜかというと、読書時間にあてていた電車での通勤時間が、うっかり始めたスマホのゲームに食われているからです…。これまでもPCでの…

『ヒーザーン』

『ヒーザーン』 著者:ジャック・ウォマック 訳者:黒丸尚 出版:早川書房 ISBN:4150109761 お気に入り度:★★★★★ あらすじ死と暴力が蔓延した世紀末アメリカ。すでに国家は力を失い、超大企業ドライコがこの国の実権を掌握している。ドライコの社員ジョアナ…

『言語都市』

『言語都市』 著者:チャイナ・ミエヴィル 訳者:内田昌之 出版:早川書房 ISBN:9784153350083 お気に入り度:★★★★★ あらすじ遙かな未来、人類は辺境の惑星アリエカに居留地〈エンバシータウン〉を建設し、謎めいた先住種族と共存していた。アリエカ人は、口…

『任務外作戦』(上・下)

『任務外作戦』(上) 著者:ロイス・マクマスター・ビジョルド 訳者:小木曽絢子 出版:東京創元社 ISBN:9784488698164 お気に入り度:★★★★★ あらすじ皇帝の結婚式を前にバラヤーに戻ったマイルズは、コマールで出会ったエカテリンに求婚しようとしていた。…

『ペルセウス座流星群』

『ペルセウス座流星群 ファインダーズ古書店より』 著者:ロバート・チャールズ・ウィルスン 訳者:茂木健 出版:東京創元社 ISBN:9784488706081 お気に入り度:★★★☆☆ あらすじ“発見者”の名を持つ謎めいた古書店を接点として、広大無辺な宇宙とささやかな日…

『宙の地図』(上・下)

『宙の地図』(上) 著者:フェリクス・J・パルマ 訳者:宮崎真紀 出版:早川書房 ISBN:9784150412715 お気に入り度:★★★★★ あらすじ1829年、地底への入口を発見すべく南極探検船がニューヨークを出港した。だが南氷洋で船は氷に閉ざされてしまう。折しも奇…

『量子怪盗』

『量子怪盗』 著者:ハンヌ・ライアニエミ 訳者:酒井昭伸 出版:早川書房 ISBN:9784153350069 お気に入り度:★★★★★ あらすじ遠未来、小惑星群にある“監獄”には、ひとりの男の精神が幽閉されていた。男の名は、量子怪盗ジャン・ル・フランブール。かつて太陽…

『影の王国』

『影の王国』(上) 著者:ロイス・マクマスター・ビジョルド 訳者:鍛治靖子 出版:東京創元社 ISBN:9784488587062 お気に入り度:★★★☆☆あらすじ聖王の第三王子が死んだ。手篭めにしようとした侍女に殺されたらしい。遺体を都に運ぶため派遣されたイングレ…

スキャンした本をiPhoneで読もう

2012年のトピックスは、3月頃にスキャナと断裁機を購入したことでした。これで本をデータ化し、iPodTouchやiPhoneで読みはじめました。結果として、本を読むスピードは速くなった気がします。これは、通勤の途中でうっかり本を読み終わり、次に読む本が無い…

読了本まとめ(2012年)

2012年に読んだ本のまとめです。こうして並べてみると、「新★ハヤカワ・SF・シリーズ」のラインナップが全般的に粒ぞろいで面白かったです。また、今さらながら読んだミストボーンシリーズも良かったです。伏線が巧妙に張りめぐらされていて、それがラストの…